しかし,まぁまだ,なんの専門家じゃないしね.
でもしかし,専門でない故に,大したことは書けない.でも書きたい.
いつか加筆修正することがあるのを願って.
さて,「なんちゃってロゲルギスト」の第二弾は,餅つき,である.
昨日大根おろしをテーマにしたし.
最近は,正月に飾る餅や,雑煮の餅といえば,どこかで購入するものなのだろうか.
うちでは,餅はつくものである.
杵と臼を使って.
そんなやり方を,誰が考えだしたのだろうか.
今回は,もちはどのようなプロセスを踏んで食用に供されるか,ということと,各段階においてどのような変化が起こっているのか,ということを考察していきたい.
1.もちが食べられるようになるまで
餅の定義を追っていたら,まぁ,wikipediaの詳しいこと….歴史まで書いてあるよ.びっくりだよ.wikipediaによれば,「餅(もち)とは、穀物、特に米に水分と熱を加えた後に、外力を加えて練り合わせ、成形した食品の一種。」だそうで,搗き餅(つきもち)と練り餅があるという.今回取り上げたいのは,つき餅である.
wikipediaには餅のつき方も載っていた.なんというサイト.
- 餅つきをする前に、杵の頭が欠けたり木片が餅に入るのを防ぐために、水を張った桶(おけ)の中に杵の頭を漬けて水分を含ませておく。木臼の場合はよく洗い、臼に水を張って水分を含ませておく。乾いた状態のまま杵でつくと臼が割れる場合がある。
- もち米は水洗いし、6~8時間程度水に浸し、ザルに開けて水切りをする。
- 蒸し器の蒸篭に清潔なサラシやサラシより粗めの蒸し布を敷き、水切りしたもち米を開けて蒸し布でくるんだ後、蒸す。炊けた状態は、蟹(かに)の穴と呼ばれる孔が表面に見えるか、箸を挿してもち米が付着しなければ良いとされるが、米の芯が残っていない赤飯程度の固さに炊けていれば良い。
- 蒸し器がない場合は炊飯器のもち米の指標を選択すれば足りる。
- 炊けたもち米は蒸し布に包んだまま臼の中にあける。この時の米の状態は祝いごとの時に食べる赤飯と同じか、若干固い程度である。
- 臼にあけたもち米は、臼の外周に沿って杵の柄を腰に当てるか沿わせて体重をかけ、もち米を臼に圧し付ける。適宜、ヘラやしゃもじを用いて裏返し、満遍なく手早く粘りを出すようにする。
- もち米全体がヘラやしゃもじで持ち上げたときに一体になる程度に粘りが出始めたらつき始めの目安とする。最低限度の状態としては杵でついたときに蒸した米が飛散しない程度である。この時の表面は米の形が識別できるものと餅状になったものが混ざった状態である。
- 日常的に目にする餅つきのように杵でつき始めるが、粘りが増すごとに杵と餅がくっつくので手水(てみず)する。手水とはあらかじめ桶に水を入れておき、手を水で濡らし餅の表面に水分を与えることである。なお、蒸して数分しか経過していないため、表面は炊きたてのご飯と同じで相当に熱く、餅の表面を濡れた手のひらで叩く程度で良い。
- 手水が多いと、餅をついている最中は柔らかいが、後で延ばしたり成形するときに固くなりやすく、先々カビが生えやすくなる。
- つき終わった餅は餅取り粉をまぶした板の上に置き、好みの形状に成形する。
- 餅つきが終わった後の杵と臼はタワシ等で表面の餅を必ず取り去る。
何回も言うようだが,なんて詳しいんでしょう!
まぁ,こういう訳である.
つまり,もち米に水を含ませ,蒸し,適量水を含ませながら,粘り気を出させ,また粒体を粘性の高い流体にするということだろう.というより,数百のものをひとつにするのである.自己接着,とでも言うべき現象だろうか.昨日,接着の定義について触れたと思うが,それは,簡単にいえば,2つのものを1つとして扱えるということだった.アミロペクチンの凄さよ!
ところで,粒体とはなんだろうか.
粒体は,粒のあつまりである.粉と粒とをあわせて,粉粒体と言ったり,粉のあつまりのことを粉体と言ったりする.粒は,肉眼で識別できる大きさのものをいう.とある.まぁ,もち米の粒は「粒」くらいに細かいわけではけれども,細かいことを気にしてはいかん(うまいこと言ったつもり).米粒っていうしね.
さて続きはまたこんど.
(つづく)
ところで,江戸時代頃までは縦杵を使っていたというのに,なぜ横杵がつかわれるようになったのか,知りたいなぁ.
しかし,力学的に考えると,やはり横杵の方が効率がよさそうだ.それも次回以降.
参考(加筆されていきます)
濱田信夫(大阪市立環境科学研究所) - モチとカビの歴史
http://www.kjknpo.com/html_j/bukai/boukin/pdf/mochi-moldsub.pdf
wikipedia - 餅
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%85
wikipedia - 杵
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B5
東芝科学館 - 歴史 - 東芝一号機ものがたり - 日本初の家庭用餅つき機
http://kagakukan.toshiba.co.jp/manabu/history/1goki/1971ricecake/index_j.html
九州大学 理学研究院 物理学部門 統計物理学研究室
中西 秀先生 - ダイラタント流体、ダイラタンシー(読んでます)
http://www.stat.phys.kyushu-u.ac.jp/~nakanisi/Physics/Dilatancy/
EMANの物理学 - 「撃力近似」批判(未読)
http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/impact.html
中央大学理工学部物理学科田口善弘先生の運営するページ
Powder Page(未読)
http://www.granular.com/
石臼 & 粉体工学(一部未読)
http://bigai.world.coocan.jp/msand/powder/j_index.html
関係ないけれど検索の過程で出てきた興味深いもの:
「多孔質ファインセラミクス」の産業技術の系統化
http://sts.kahaku.go.jp/diversity/document/system/pdf/046.pdf
ここに問い合わせようかと思っている:全国餅工業協同組合
http://www.omochi100.jp/toiawase/index.html
ところで,前回書けなかったが,大根おろしと大根では味が違うのか,なぜ違うのか,成分は異なるか(え?)なども調べてみたいことではある.